2015年07月28日

映画『呪怨(ビデオオリジナル版)』をホメる!

どうも、黒道です。

アニメのホメカツ以外もしたいんですけど、どうも最近別の用事がありまして、なかなかうまくいきません。とりあえず今は、レンタルDVD店で借りた映画をきちんと見て、きちんとホメカツして、きちんと返すことにしたいと思います。延滞料金とられちゃいますし。
というわけで、先日『ノロイ』を借りる際、邦画ホラーがもう一本くらい見たくなって借りた作品がこちらです。

映画『呪怨(ビデオオリジナル版)』



2000年、清水崇監督のホラー作品です。
正確にいうと映画じゃなくてビデオオリジナル作品なんですけど、『コワすぎ!』と同じく括りが難しいので映画カテゴリにぶち込んでしまいます。ごめんなさい。

逆になんで今までこれ見てなかったのってレベルの作品ですよね。いや、私も呪怨シリーズいっぺんも見たことないってワケじゃないんですよ。でも見たことあるのは劇場版1・2だけでして。ビデオ版は見たことありませんでしたし、ここ最近リメイクされてるヤツにはまだ全く触れてませんし。やっぱここは見ておくべきだろうと。そこで少し時代を遡りまして、いわば原点みたいな部分を借りてきたわけです。
最近は怪異をぶん殴って解決するホラードキュメンタリー作品ばっかり見てるので、感覚がマヒし始めてるんですよねハイ。怪異が現れたら殴ればいいんだっけみたいな。ちょっとこれを見て思い出そうと思います、本来怪奇現象は物理で解決するもんじゃないってことを……。

呪怨。
それは、強い恨みを抱いて死んだモノの呪い。死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。その呪いに触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる。


……改めて考えるとすごいですよね。冒頭のこのテロップだけで、これから起こるすべてのことを納得させる圧倒的パワーがあるんですよ。「これからどんどんおかしなことが起こりますし、怖いのが出てくるんですけど、それは全て理屈じゃなくて『呪怨』なんですよ」と。
もうこの時点で観客は、これからどういうテンションでこの作品を見ればいいのか、心の準備ができます。なんで関係ない人を呪い殺すの? とか、もうそういうツッコミの方が無粋って感じです。とにかく、呪怨なんですよ。呪いに触れてしまったら死ぬし、死んだ人は新たな呪いの発生源となる。そういうもんなんだよと。あらかじめ観客のリアリティレベルをそういうトコに設定してるわけですね。
よく映画を視聴した後「こういう作品だとは思わなかった」「リアリティがない」とかおっしゃる方がいらっしゃるんですけど。そういうのってやっぱり、視聴者に心の準備をちゃんとさせないから起こる現象なんじゃないかなって思うんですよね。
本格ミステリだと思わせていきなり魔法バトルが始まるような作品に対して「なんだこれ、いきなりリアリティも何もなくなったぞ」ってなるのは、なんか分かるじゃないですか。こっちは現実世界に即した世界観のミステリものが見れると思って見てたんだよ、なんで急になんでもアリの世界になっちゃうんだ! って。超能力ホラーだと思ってたら宇宙戦争が始まる映画に不満を覚える人がいるのもそういうことだと思いますし。学園日常モノだと思ってたらゾンビものが始まったアニメは……まあ、そういう戦略ですけど。
で、この『呪怨』は、冒頭でこのテロップをバン! と出す。これが冒頭に出てるのに「死者が呪うなんてあるわけない。リアリティに欠ける」って言い出す人いたらそりゃその人が悪いですよね。主に頭がね。
こんな風に、「これよりお見せしますのは死者の呪いで人が死ぬホラーです」と冒頭で宣言することによって、観客は「おお、この世界には呪いとか死者の怨念とかそういう概念があるのね」とリアリティレベルをそこに合わせて鑑賞できるわけです。それをテロップ一発でやってしまう。実にお手軽で効果的な方法です。

テロップの話でいつまで引っ張るんだって感じですよね。すみません。
ともかくこの作品は、教師・小林俊介と佐伯家を巡る因縁、呪怨の家が生まれるきっかけ、そしてそれに巻き込まれ死んでいく哀れな犠牲者たちを描いた物語であります。

小林が担任をする小学校のクラスに、ひとりだけ来ない子がいる。名前は俊雄。家庭訪問をしようと思っても、ご家族に連絡つかず。困ったことです。
そんな俊雄君のお母さん、伽椰子。彼女は、小林の大学時代の同級生でした。周囲からは、なんだか気持ち悪い雰囲気の女性だと思われていたようです。小学校の入学式で会ったきりだけど、連絡つかないなんてどうしたんだろうか、何かあったんだろうか。
小林は、佐伯家に家庭訪問を敢行します。しかしどうも雰囲気がおかしい。殺されてグシャグシャになった猫のお墓。傷だらけの俊雄。いつまでも帰ってこない家族。俊雄と会話する謎の女の声。
やがて小林は、恐るべき秘密を発見します。伽椰子は大学時代、小林に片思いをしていたこと。その思いを綴ったノートが存在していたこと。ストーカー気質の持ち主である彼女は、小林の行動を逐一観察してそのノートに記録していたこと……。
ただでさえヤバすぎるこの家。しかし本当のヤバさはこんなものではありませんでした。この家では、殺人事件が起きていたのです。被害者は、伽椰子。加害者は、夫の剛雄。
天井裏に詰められた死体。「俊雄はお前の子どもだ」と示唆する、剛雄からの謎の電話。混乱する小林に襲い掛かるのは――。

やがてその家は、関わった者すべてが死ぬか行方不明になる、呪われた家として噂になります。
おお、この家の呪いに触れた人々が、今日も新たな呪いと化していく……。



有名になりすぎて、あらすじをいちいち紹介するまでもないかもしれないですね。
いや、よかったです見て。劇場版だけ見ていた私が理解できなかった部分、結構解決できました。つまり、呪われた家がどうやって生まれたかっていう部分。シリーズの核である怪物、伽椰子と俊雄が生まれたキッカケが結構ガツッと描写されていました。って、当たり前ですねシリーズ最初の作品なんだから。エピソードゼロ見たみたいな感想出す私の方がおかしい。
伽椰子、まずもって化け物じゃなくても怖いじゃないですか。小道具のノート、狂気が詰まりに詰まっており大変効果的なアイテムでした。小林君と目が合った黒ハートとか。ハートマークとか使ってるんですよハートマーク。そんなところで可愛いアピールされても困りませんか。私は困りますね。大体何の用途でつけてるんでしょうかそのノート、単に日記なのかな。観察日記に近いのかもしれない。
そして、旦那の剛雄もとんでもないサイコな男です。これつまりアレですよね。「妻が小林と浮気をしている」「俊雄は自分の子ではなく小林の子」って思ったから、その怒りで凶行に及んだってことですよね。彼が電話ボックスから電話するシーン、ゾッとしました。霊的なモノが出てくるシーンも怖いんですけど、あの時点で剛雄は生きてる人間なわけですからね。それがあんな。完全に狂ってしまっている。果たしてそれは剛雄の生来持つ性質だったのか、伽椰子が周りを狂わせていくのか……。

この作品がやっぱり怖いのは『伽椰子はストーカーである点を除いてフツーの女』ってトコじゃないかと思うんですよね。
いや、あるじゃないですか。実は親が呪術師であるとか。超能力に目覚めたサイキック女だったとか。怪物の血を引いているとか。それはそれで怖いんですよ。なんでもない隣人が、とても恐ろしい存在かもしれない。場合によってはそれが自分かもしれない、っていう恐怖。
でも、この場合の恐怖は全く別物じゃないですか。ストーカーは確かに恐ろしい存在かもしれませんけど、殺せばそれ以上ストーキングできないんですよ。それがなんということでしょう、「あんまりにも思いが強すぎる」ってただそれだけの理由でですよ。これほどの呪いを振りまく存在に成り果ててるんですよ。これを怖がらずして何を怖がるっていうんですか。
人間と怪物の境界線が限りなく薄い。誰でも次の瞬間には呪怨に呑まれ、また呪怨となる可能性があるっていう世界観。闇です。そのひと言に尽きます。

で、その闇の発生源である伽椰子と俊雄は、呪怨に触れた人のいる場所ならどこにでも出張し、呪いに触れた者を殺してしまう。劇場版では「俊雄を探せ!」または「伽椰子を探せ!」レベルで現れててちょっと笑っちゃったんですけど、このビデオ版は比較的一発の重みで勝負タイプでしたね。伽椰子が階段を這いながら下りてくるシーン、そのインパクトは言うまでもないでしょう。
でも私がお気に入りなのは、やはり呪怨と化した犠牲者が再登場するシーン。それまでは「結構棒読みだけどまあ、そういうモンだよなぁ」って思いながら見てた女の子が、伽椰子にやられた途端あんな気持ち悪い動きして、しかも振り向いた顔が……。おおぅ、グロシーンアリのホラー映画なんて現在じゃ掃いて捨てるほどありますけど、これはグロいとかじゃなくて純粋に怖い表現ですね。いいなぁこの動きって感心しながら見てしまいました。



明らかに「次の犠牲者が現れます」みたいな感じで終わりましたし、多分「呪怨ビデオ版2に続く」な感じなんですよねこのお話? そちらも探して見てみようと思います。呪怨も久しく見てないから改めて見てみようかな? 血みどろJCよりお気に入りのシーン、見つかるでしょうか……。
今回は割とコンパクトな記事になったかな。やはりJホラーの名を世界に轟かせた実力は伊達じゃないなと思わされました。皆さんも是非、邦画ホラーの文脈を読むためにも触れていきましょう。



それでは、次回のホメカツをお楽しみに!

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posted by 黒道蟲太郎 at 18:46| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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