2015年07月19日

アニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』第十四話をホメる!

どうも、黒道です。

どこに住んでいようがインターネットさえ繋がっていればアニメが公式無料配信されちゃうって、よく考えると非常に恵まれてますね。皆さんこの恩恵を前から受けてきたんですか。ずるくないですか。なんで教えてくれなかったんですか。意味分かりませんねすみません。
ところがこうなるとですね、フォロワーの方も「あのアニメいいよ!」「このアニメ見てみて!」って私にオススメしやすいじゃないですか。それ全部見てるとこのブログアニメ感想ブログになる上忙しすぎる可能性が高いんですよね。悩みどころです。

とにかく、前から見続けているアニメのホメカツはなんとか貫き通したいところ。というわけで、今日はこのアニメのホメカツで行こうと思います。

アニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』
第十四話『スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ Part2』




2015年、TRIGGER制作のアニメです。ニコニコ動画等の動画配信サイトにて配信されています。
物理書籍2巻に収録されています。



忍殺のエピソードの中でも特に傑作と名高い本エピソード、ついに後半戦、完結です。

カギ・タナカ……シルバーカラスは、余命幾ばくも無いフリーのツジギリストニンジャ。ソウカイヤに追われていた女子高生ニンジャヤモト・コキを助けてしまった彼は、残された時間を用いて彼女にイアイドを教えます。自分の人生が、たとえ卑しい殺人ニンジャのそれでしかなかったとしても、その生きてきた証を遺そうとするかのように。
ところが、そこにソウカイヤからのミッションが。それは、付近に潜伏する女ニンジャの殺害。そう、ヤモトを殺すこと。どうせすぐ死ぬんだから無視してもいいが、死ぬ前に面倒はもっと嫌だ。かといって……。
おお、最後の気まぐれすらも「インガオホー」と嘲笑うようなこの仕打ち。果たしてシルバーカラスの決断は、そしてヤモトの運命は?

というような内容でありましたね。前回の記事でも申し上げましたが、シルバーカラス、ここに来てそれまでの人生が一気にインガオホーめいて襲ってきていますね……ナムアミダブツ。
今回は前回の続き、シルバーカラスがヤモトにイアイドを教えているところから始まります。さあ、どうなってしまうのでしょうか。

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これはお前を助けるためじゃない。俺のエゴに付き合わせているだけ。俺はただお前の水門を開くだけ。そこで満足せず、続きはお前自身で鍛えていくこと。
シルバーカラスとヤモトは、基本のカワラ割りを終え、実際にカタナを用いる段階に入っていました。本当はもっとじっくりやれるのが良いのでしょうが、シルバーカラスはセンセイではないし、何より時間がありません。
お前自身のカラテをカタナに注ぐ。即ち、お前がカタナになること。それが極意。
自分でもよく意味の分からぬセンセイの教えを、シルバーカラスはヤモトに伝えていきます。最近じゃ笑い爺支給の武器ばかりで、自分でも使っちゃいないワザマエだっていうのに。しかしニンジャにはそれだけで充分なのです。

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ヤモトも、流石に分かっていました。カギとの別れの時が迫っていることが。
ふたりは廃ドージョーを出、オモチとネリモノを買って、オーゾニ(お雑煮)を作りました。オーゾニ、ネオサイタマではオショガツに限らず一般的に食べられている日本食のようです。

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命の危機が迫っているとは思えないほどカワイイな顔で、くだらないTVプログラムを見ながら笑うヤモッチャン。その後ろで高いサケを飲み、ヤキトリを食べ、ヤモトくだらない話をしながら、シルバーカラスは最期の時間を過ごしています。
ひと段落したら、キョートとか行かないのか? ネオサイタマを出て大人しくしておけば、奴らも諦めるかもしれん。シルバーカラスの提案はしかし、ヤモトによって否定されました。自分に帰る場所なんてない、と。アサリ=サンのいる高校にも戻れない。キョートには父親殺しの忌まわしき記憶。ソウカイヤに狙われた今、どこへ行っても誰かに迷惑をかける……。
それでも、きっと受け入れてくれる場所はある。そう言いかけたシルバーカラスはしかし、突如として咳込みはじめました。なんということでしょう。時間が無いのです。薬を噛み砕き、なんとか症状を誤魔化すシルバーカラス。
しかしそこに、笑い爺からの連絡が。ソウカイヤから一名、賞金稼ぎのフリーニンジャが一名、既にヤモト殺しのため派遣されたというのです。ソニックブーム、バイコーン、ナッツクラッカー。三人もの所属ニンジャを殺されたソウカイヤ、今回はかなり本気みたいです。小娘一匹始末できないようじゃヤクザ組織として名が廃るってわけでしょうか。
笑い爺の連絡には、明らかに「お前も早く動くように」という意味が込められています。向こうからの連絡にロクに返事もしないものだから、いい加減怪しまれ始めたのです。
あくまでそれを悟らせないようにしつつ、ヤモトにもう逃げろと提案するシルバーカラス。次来る敵は複数。それはお前が倒さねばならない。短い時間で覚悟を無理矢理決めたヤモトは、「オタッシャデ」の短い挨拶と共に、シルバーカラスの部屋を去ります。
うまく逃げおおせてくれ、頼んだぜ。彼の頼みを、きちんとヤモトは頼まれてくれたんでしょうか。ともかくシルバーカラスは、『最期の仕事』の準備に取り掛かります……。

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一方その頃! ソウカイヤから遣わされた、ヤモトを追う邪悪ニンジャふたり!

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ひとりはソウカイヤ所属のサードアイ
目が三つあるだけあって、ニンジャソウル痕跡追跡を得意としています。『レイジ〜』でフジキドも相手を見ずにムーンウォークで接近するというワザを披露していましたが、サードアイも「ここをニンジャが歩いた」とかいうニンジャの痕跡を敏感に察知し、追跡することができるのです。油断ならぬニンジャ。

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もうひとりはフリーの賞金稼ぎニンジャ、ソードダンサー!
オセアニア呪術師めいたメンポはなんかふざけてんのかみたいな感じですが、名前の通り剣の腕前は確か。シルバーカラスと同じフリーランスのニンジャということで、やはり食っていく難易度は段違いでしょう。そんな環境でやっていけるだけの確かな説得力、凄みが伝わってきます。これもまた油断ならぬニンジャ。

ふたりはロクに連絡を返さないシルバーカラスを待つのをやめ、既にヤモト捜索に入っていました。大方あのシルバーカラスの野郎は、先に女を殺してキンボシを横取りする気に違いない、下らん真似を……。とか言いつつ、キンボシを狙っているのは、サードアイやソードダンサーも同じこと。隙さえあれば相手を出し抜き、手柄を独り占めしようとしています。
サードアイはニンジャソウル痕跡を追いながら、ヤモトの痕跡が突如としてふたつに分かれていることに気付きます。ヤモトがブンシン・ジツの使い手だなどと聞いてはいない。
とすると、考えられるのは『クマのメソッド』。クマが追跡逃れのため、雪道をしばらく進んだ後足跡に沿って戻り別方向に行くというアレ。ソウル痕跡を追跡されぬよう、ヤモトは一旦片方の道を行って、それから戻り、逆方向へ行ったと考えるのが自然。
どちらがよりヤモトがいるっぽいかは分からない。ここは二手に分かれよう。ふたりは別々の方向へ走り出し、ヤモトを追うことにしました。

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が、これがサードアイの策略。
サードアイ、本当は何もかも分かっていました。ヤモトには誰か協力者がいる、というのはソウカイヤじゃ既に定説となっている話。ソイツと一緒に廃ドージョーを出たヤモトは、一旦どっか……つまりシルバーカラスの家に行った。そしてもう一度ひとりでここに戻ってきて、今度は別の道へ向かった。クマのメソッドなんか最初から使ってないのです。
まさか協力者がシルバーカラスとは思わないサードアイ。あらゆる可能性を考えます。ひょっとしてその協力者とは、今話題のネオサイタマの死神、ニンジャスレイヤーでは? そんなカラテという概念が具現化した化け物みたいな奴と自分がカラテで戦うことになったら、キンボシどころでなく最悪死ぬ。やってられません。
そこで、ニンジャスレイヤーかもしれない謎の協力者にはソードダンサーをぶつける。ソードダンサーがソイツと戦っている間に、サードアイは悠々とヤモトをなぶり殺しにできるという寸法です。
オリガミミサイルしか能のないガキなら余裕で殺せる。なぜならサードアイは、肩にインプラントしてあるアンテナめいた試作サイバネ機構の力により、カラテミサイルの類を無効化できるから。危険要素は押し付けて手柄は独り占めだし、いいことづくめ。なんたるセコいニンジャか!

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サードアイの思惑通り、ソードダンサーはシルバーカラスの部屋へ行きます。ところが、ここをガチャリと開けてみますと……。

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突然の爆発。そう、シルバーカラス、絶対ここに追っ手が来ると思って、あらかじめ爆発トラップを仕掛けておいたのです。あまりに突然の出来事過ぎて視聴者側の我々すら動揺しましたよね。
それだけではありません。爆風で中庭に落下したソードダンサーを待ち構えていたのは、なんとシルバーカラス! フリー同士顔見知りだったふたりは、やや変則的なアイサツを交わします。
お前ほどの政治的判断力の持ち主が、まさか殺害対象に協力し、このような真似を。まさか狂ったか。ソードダンサーは動揺します。「老い先短いんでな」シルバーカラスは無感情に答えるだけ。
当然ソードダンサーは、サードアイに応援を頼みます。しかしそれも無駄。IRC通信が使えないよう、先程の粉塵にはチャフ(電波欺瞞紙)が混ぜられていたのです。大気中に散ったチャフは電波を妨害し、ソードダンサーがいくら通信を試みようとそれを許しません。昔シルバーカラスがサイバーツジギリの仕事で使った試作品でしたが、コストがかかりすぎるということでついに実用化されることはなかったアイテムです。
ソードダンサーも動揺してばかりはいられません。脳内でオセアニアのパーカッションに合わせた呪術師ダンスを思い浮かべ気持ちを静めたソードダンサーはコンマ一秒で冷静さを取り戻し、シルバーカラスと対峙します。なんだお前その心の落ち着かせ方。
ところが、いくらソードダンサーがオセアニア呪術師風で強いとはいえ、そこはシルバーカラスが一枚上手。あっという間にメンポを破壊され、素顔が露わになります。

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ホントにオセアニアの人なのかなひょっとして。それとも顔をペイントしてるのかもしれないオセアニア戦士風に。何がお前をそんなにオセアニアにこだわらせるんだ。憑依ソウルか。お前自身の信念か。
とにかく、追い詰められたソードダンサーは、カラテシャウトを「イヤーッ!」から「イアーッ!」と何やら冒涜的な感じに変え、本気の二刀流カラテを見せつけます。

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ニンジャ動体視力を持たない我々モータルには止まって見える。
ところがシルバーカラスは、これを己の小ぶりなカタナ「ウバステ」で軽くいなしていきます。大した名刀でもない、無名のカタナたった一本で。なんたるイアイドのワザマエか! そしてそのニンジャ動体視力はソードダンサーを捉え、イアイドが決まった!

「ハイクを詠め、ソードダンサー=サン」
「二刀流/イアイドに勝てなかった/生まれ変わったら勝つ」


現代を生きる我々からすると自由律過ぎる末期のハイクを詠んだソードダンサーはカイシャクを受け爆発四散!
……いや、ニンジャスレイヤーもよく言いますよね「ハイクを詠め」って。アレはつまり「死ぬ覚悟を決めたならば、最期の言葉くらい言わせてやるし、苦しまぬよう楽に殺してやる。しかし抵抗するなら、お前を苦しめ、惨たらしく殺す」という宣言なんですよね。
大抵のニンジャはここで抵抗する。最後まで醜く足掻き、醜く殺される。でもソードダンサーはここで死を覚悟し、オセアニア呪術戦士としての矜持を保ったまま、ハイクを詠んで逝ったわけですね。少ないんですよ、大人しく覚悟を決めてハイクを詠めるニンジャは。ハイクのワザマエ自体は微妙でしたが、心には武人としての誇りみたいなのがちゃんとあったんだろうなって思います。
シルバーカラス、今の戦いで更に体に負担をかけてしまいました。吐き出した血が周囲に飛び散ります……。

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一方その頃、サードアイは予定通りヤモトを捕捉していました。
ところが、サードアイは計算違いをしていました。それは、追っているはずのヤモトが、橋の上でサードアイを待ち構えていたこと。そして……相手がオリガミミサイルしか使えないと思い込んでいたこと。

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ヤモトのオリガミミサイルを落として得意げなサードアイ。自分のカラテとミサイル無効化サイバネ機構が合わされば、自分のカラテは実際三倍近い強さになる、と。
……ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。ニンジャスレイヤー界における有名な死亡フラグに、こんなものがあります。それは「常人の三倍近い○○」という特殊技能を持っている、ということ。密書を届けるミッションをトチった上証拠隠滅にすら失敗したことで知られるバンディットも、常人の三倍の脚力を持つことで有名でしたね。もう基本的には、常人の三倍自慢を始めるニンジャがいたらあっけなく死ぬものと考えて差し支えないわけですよ。そもそもニンジャのくせに常人の三倍しか出せないってのも微妙だよなって思いません? ひょっとしたら「常人」ってのは「平均的なニンジャ」ってことなのかもわかりませんけど。加えてこのサードアイ、「仲間を出し抜きキンボシ狙い」「サイバネ機構に頼りすぎる」「自分の作戦や能力をベラベラ喋る」等の死亡フラグも見事打ち立てまくってますからね。これ、この後の運命が分からない方がどうかしてるってやつです。

そう、ヤモトは最早ジツ頼みのニンジャではありません。カギ=サンのイアイドが共にあるのです。クローンヤクザの落としたドス・ダガーという扱いづらいエモノではありますが、カタナさえあれば実際イアイドは使えます。
心の中でカギ=サンの教えを反芻すると、サードアイのカラテが所詮油断ぶっこいた三倍系サンシタニンジャのそれでしかないことが分かってくる。相手の動きをよく見れば、攻撃の軌道は必ず分かる。綺麗な一撃をキメるには、それをキメられる瞬間を座して待つのではなく、自分からお膳立てすべし。トドメのタイミングを見誤らず……一撃!

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トドメの瞬間結局FLASH。
ともかく、最早ヤモトの世界は変わった。これまでのカラテ無きニンジャではない、ひとりのイアイドニンジャ、ヤモトが生まれた瞬間であります。この、くたばる直前のサードアイの演技が必死でいいですね。連絡の取れないシルバーカラスの名を大声でわめき散らすサードアイ……しかし、その頭に突如トドメのナイフ! サードアイは爆発四散!

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死に際にはFLASHだったのに爆発四散シーンはアニメーションするのか……。

そして、そこに現れたのは……ヤモトを殺す最後の刺客。
己のカネの為に数えられぬほどの人を殺した……卑しき殺人ニンジャ……シルバーカラス。

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「はじめまして」とアイサツを交わし、戦い始めるふたり。
「見せてもらおうか、ワザマエを」
いや、しかし、駄目です。ヤモトはもう、何かを悟ってしまいました。オリガミミサイルを飛ばす。しかしそれはあっけなく落とされます。違う。カラテで勝負せよ。がむしゃらに斬りかかるヤモト。そうじゃない。本気で殺し合わないと。
どこで気付いてしまったのか。サードアイに刺さったナイフが、ナッツクラッカーに刺さったナイフと同じそれだったから? 背格好が似ていたから? 声が? 「少し明るい海」の空箱を落としたから? ……考えても意味のないことです。
剣など振るえるわけがありません。立っていることすらままならない、少し押しただけで受け身も取れず倒れてしまう、命の恩人、カラテの師匠……カギ・タナカに。

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最期の試練に自分を用意したつもりだったが、まあ、気にせず殺せなんて無理に決まってるよな、ついこの間まで女子高生でしかなかった若い娘に。シルバーカラスには、最早試練を与える力もありませんでした。
結局終の終まで、「少し明るい海」は吸えませんでした。でも、後悔はそれくらい。
彼にはもう爆発四散するほどのエネルギーも残ってはいません。シルバーカラスは、カギ・タナカは、ひとりの殺人ニンジャは、ただ静かに、安らかに、眠るように息を引き取りました――。

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数日後。ヤモトは、アケガネ駅のホームにいました。
対重金属ジャケットを目深にかぶった彼女の背には大きな荷物。服など日用品に加え、カギ=サンが無理矢理くれたクレジット素子も入っています。彼が殺しの稼業で得、最早使うことの叶わない大金。しばらくはこれで食いつないで行けましょう。そして何より、シルバーカラスの愛刀、ウバステ。
クローンヤクザがヤモトを追います。しかし無意味なコト。ニンジャじゃないんですから、高速で移動する貨物列車の上に飛び乗ったヤモトを正確に撃ち抜けるハズがありません。

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列車の上で、彼女が静かに見つめているのは「少し明るい海」の空箱でした……。

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おおー。いや、よかったですね今回。
今までのFLASH感を効果的に使いつつ、ちゃんとするところはちゃんとし、ラストの感動へ向けての演出の一部に組み込んである。このワケワカラン手法のひとつの到達点なのかもわかりません。単に我々が慣れてきただけかな。そんな気もしますね。
冗談みたいに書きましたけど、特にオッと思ったのはサードアイにイアイドが決まるシーン。アレ、明らかに第一話『ボーン・イン〜』のオマージュですよね。
ソニックブームが言ったように「ノーカラテ・ノーニンジャ」即ちカラテあってこそのニンジャ。つまり今までのヤモトはジツ使いではあったけれども、本当の意味でニンジャじゃなかったってことです。それがシルバーカラスのインストラクションによって、間違いなくカラテによって、あの致命的一打をぶち込むことができた。真のニンジャの世界に一歩足を踏み入れたわけです。ナラク・ニンジャによってニンジャの世界へ入門したフジキドが、ミュルミドンの首を刎ねたのと構造は一緒。いわば「カラテ使いたるニンジャとして初めてイクサを経験し、ニンジャを殺した」瞬間に、FLASHとなった。
忍殺本編を追っている方は分かるかもしれませんが、『一見ギャグとしか思えない展開が実は伏線で、後のエピソードにおいて展開を超盛り上げる』みたいなことって結構ありますよね。最近ならサツバツナイトとか、ミサイルとか……。それをアニメにおいても再現した演出でないかしら? と考えるところであります。

尺の都合や青少年へのなんかを配慮して展開が改変されている部分もありましたが、それも元エピソードの持つアトモスフィアを損なうものでなく非常に良かったと思います。
特にラスト、電車の上でヤモトが出すタバコ空箱ですね。アレ、小説版だと中身が入った「少し明るい海」なんですよ。ヤモトもシルバーカラスの真似をして吸おうとするが、ニンジャだろうと無理なものは無理で、ゲホゲホとむせ返ってしまう。
ところがアニメじゃこれが難しいようですね。最近は未成年飲酒だの喫煙だのって地上波で描写したらダメみたいで。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』でも承太郎がタバコ吸うシーンは修正かかってたみたいですし。世知辛い世の中です。だからタバコを吸わない、空き箱だけに変更してある。
ちゃんとアトモスフィアを残しているどころか「これはこれでひとつの解釈の形だ」と納得できるような仕様変更ですよね。少し明るい海はカギ=サンの象徴で、カラッポなのは彼が二度と戻らない、過ぎ去ったものということを示す。でも、それを大事に持っている。シルバーカラスはもう戻らなくても、伝えられたモノを胸にヤモトは戦っていくんですね。
これ、普通の演出家なら「シルバーカラスからウバステを受け継ぎました」を強調するトコですよね。アレこそ彼のイアイドを、ミームを受け継いだという分かりやすい象徴。ところがシヨンではこれを「オッ? よく見るとそうかも?」程度に留め、少し明るい海アップにしている。ウバステの分まで全部空箱に語らせることにしたんでしょうね。なかなか攻めますね。尺が無いから削るところ吟味するのは当然なんですけど、普通だと「ウバステは削れねえよな」って判断になると思うんですよ。それを「いや、こうしたらウバステの分まで雄弁に語ってくれる」判断したわけでしょう、結構な勇気が要りますよね。采配ですねこれは。

やはりヤモッチャン、登場回数はそんな多くないんですけど(アニメ第一部での出番はこれが最後かもしれない)、この「ニンジャスレイヤー」という物語のもうひとりの主人公じゃないですか。
フジキドは、ある程度最強の主人公として完成された状態で生まれてきている。無論彼にも復讐者として足りない部分はいっぱいあって、そこをうまく補いながら殺忍してきたわけですけれども、少なくともカラテの面ではかなり高い水準からスタートしていた。
対してヤモッチャンは、全て未熟なんですよね。割とギャグではなく胸が平坦なのも、ナンシー=サンみたいな強い女たちと区別するためなんじゃないかなと思います。どちらかというとヤモッチャンの方が主人公っぽい……いや、どうなのかな。最近の主人公は最初から強いのかもしれない。言い方を変えましょう。フジキドは強い主人公、ヤモトは弱い主人公だ。フジキドは足りない穴を埋めていくスタイルで進んでいくかもしれないけど、ヤモッチャンはそもそも門を開けて階段を上り始めるところからスタートしないといけない。ここは大きな違いなんですけど、ふたりには浅からぬ因縁もあるわけですし。フジキドとフジオが対比されるように、またヤモッチャンとフジキドも対比されて然るべきだよなぁと思うところです。

そういえば、先週インガオホーの話してましたね。シルバーカラスに襲い来る様々なインガオホーについて。
先週も様々なインガオホーを挙げましたが、『死に方すら思い通りにできない』っていうところもまたインガオホーの一部ですよねシルバーカラス。本当は、ヤモトに実践で最期のインストラクションを授け、彼女の手で逝きたかったはず。でも、それすら気付かれてしまう。病気で死ぬんじゃなくて、自分がカラテを仕込んだヤモッチャンに殺されて爆発四散し、永遠に居なくなりたい。それが理想だったろうに、実はその爆発四散すらできてない。結局病気で死んでいる。
自分の行いがいいコトだとは、シルバーカラスだって全然思ってなかったハズです。ヤモッチャンを助けたくらいではそそげないカルマがそこにはあります。「このシルバーカラスは卑しいニンジャだ」という台詞、ヤモッチャンに自分を殺させやすくするための台詞でもあったと思いますが、それ以上に、自分に対する言葉ですよね。どんな言い訳をしようが、俺はこんなに卑しいニンジャだ、と。
彼が死を前にして望むことは、何ひとつだって叶っていない。でも、彼はそれでいいって言うんです。せめてタバコが吸いたかったが、それ以外は全部甘んじて受け入れると。命が終わるのも、イクサではなく病で死ぬのも、爆発四散できないのも、ヤモッチャンを悲しませてしまうのも、全部受け入れると。
彼は、最期に得ることができたんですね。卑しき殺人者の死を悼み、そのミーミーを継いでくれる存在を。だからやり残したことはあっても悔いはない。
出会った相手がフジキドならば、こうはいかなかったでしょう。「ドーモ、シルバーカラス=サン。ニンジャスレイヤーです。モータルをカネの為に殺す卑しき殺人ニンジャめ。タバコなら手に入らぬ。なぜなら私が貴様を殺すからだ。イヤーッ!」とでも言って、サクッと爆発四散させていたはずです。フジキドだって殺すニンジャは選びますが、少なくともサイバーツジギリの悪いニンジャにかける慈悲はなさそうですからね。彼ならそれはそれで「これもインガオホーか。大したことない人生だったが、まあいいか」って受け入れそうですが……出会ったのがヤモトだったからこそ、過去に収穫される前に、彼は小さな満足を得ることができた。ヤモトはひとりの死にゆくニンジャに、己の生きた小さな意味を与えたんですね。何度考えても味わい深いエピソードです。

さあ、スワンソングも終わって、物語はいよいよフジキドに戻るかな? ってとこですね。果たしてユカノは見つかったのか? ということが今後は描かれていくでしょうね。弱く儚い主人公としてのヤモトは好きですが、女性キャラだとやっぱなんだかんだ豊満キャラが好きなので、登場を楽しみに待ちたいと思います。



実はこの記事、49回目のホメカツなんですよ。日本における不吉な数字だと忍殺では言われています。フォーティーナインという名前のニンジャもいるくらいでして。
ということは、次の記事はまさか、50回目。すごい『節目!』って感じがしますが、いったい何をホメカツしたもんか。悩ましいな……。



それでは、次回のホメカツをお楽しみに!

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posted by 黒道蟲太郎 at 21:18| Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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