2015年05月26日

映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! File-03』をホメる!

どうも、黒道です。最近週イチでレンタルビデオ店に通っております。
でも案外インプットって精神力使いますよね、特に映画とかの映像作品に対してはどうしてもそう思ってしまいます。視覚も聴覚もちゃんと働かせなきゃ楽しめないし、頭停止してたら楽しめる作品も楽しめませんしね。
そういうわけで、一度に余り多くを借りて見ることができない私なのであります。もっと気軽にインプット・アウトプットを楽しみたいですね。

そういうわけで、今日のホメカツも、先日から見続けているあのシリーズです。

映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』
『File-03 人喰い河童伝説』



2012年制作、白石晃士監督のホラー作品です。

暴力ディレクターの工藤とアシスタントの市川、そしてカメラマンの田代が怪奇現象を追う! というシリーズの第三弾。
口裂け女、幽霊ときて、今度はなんと『河童』! 急に古典的な妖怪が来ましたね。こりゃ気になるぞ。そう思い、早速その内容を見てみました。
そして、私はすぐに驚かされることとなりました。前作よりもより圧倒的にパワーアップしたその内容に……!

作品冒頭から、いきなり雰囲気がちょっと違っていました。
いつもなら、工藤がいきなり制作会社のいつもの部屋で市川に投稿映像見せる所からスタートする本シリーズ。
ところが今回、突然始まったのは、『前回までのあらすじ』。なるほど確かにシリーズ3作目ともなると、いきなり見始める視聴者も……いるのか? いるか普通そんな奴? いやいや、私みたいにイッキ見してる人ばっかりとは限りませんからね。単純に間を置いてみたら前までの話を忘れちゃうってこともあるかもしれない。それに、段々前作との繋がりが強くなってきてますからね。振り返りも重要です。……しかしアレですね、普通のホラードキュメンタリー番組みたいな雰囲気ですね。良い意味でどこにでもありそうな。

そして本編に突入して、『いつもの部屋』。そこに映っていたのは、一礼を伴う挨拶と共に、きちんと番組の導入をする市川、そして裏方に徹していたはずの田代の姿。
オイオイオイオイ! どうした、そんな挨拶なんかして!? いつもの何の前触れもなく始まるあの感じはどこに行ったんだ!? と思わされるほど、進行をしっかりする市川。これじゃ完璧に普通のホラードキュメンタリーじゃん! 何でこんな急に――ハッ!

そうです、工藤がいないからです。
名物暴力ディレクター工藤は、前作『震える幽霊』編の終盤にて、怪異に立ち向かった結果昏睡状態に。そのまま入院していたのでした。
現在は意識も取り戻し、リハビリを続けているところなのだそう。ま、まあ、怪異と戦った結果ちゃんと生き残ったんだから大したモンです。しかもこの番組続けるって決意は固いらしく、入院中も投稿映像を気にしてるんだとか。ホントに仕事のコトばっか考えてるんですね、流石ブラック企業社長体質……。

というわけで、残されたふたりは、工藤のいない間も番組制作を続けているのでした。
しかしながら、工藤がいないだけでこんなにも導入が綺麗だとは……市川もホントはこういう丁寧な感じで番組作りたいんだろうなぁ、工藤との性格の差が見えますよ。
早速彼らは、新たに投稿された映像を確認します。

今回の投稿者は、ひと組のカップル。彼氏は井上、彼女は有里。有里はなんか最近のJ−POP歌姫みてぇな顔してます。
そこには、ふたりのデートが映し出されています。どうやら井上、有里を釣りに誘ったようです。井上が釣り場に選んだのは、とある池。静かな環境で釣りができるというその池は、地元のお年寄りが『河童が出る』と忌避する立ち入り禁止の場所でした。

話によれば、この地域には昔から河童が住んでいて、畑を荒らすなどの悪行を行なっていましたが、そこまで凶悪な存在ではなかったのだそうです。
それなのに、人間が河童の住処を埋め立てをしたせいで一変。人間を襲撃したりするようになりました。
家族を河童に殺された人々はそれを恨みに思い、若い河童も年寄り河童も一匹残らず殺害。その遺体を八つ裂きにし、まとめて池に捨ててしまいました。
それ以来、この池には常に生臭いにおいが立ち込めるようになりました。更に、殺したはずの河童が現れ、人間を襲撃するようになってしまったのです。

以上が伝説ですが、無論、若いモンは河童とか信じないからすーぐこういうトコに入る。
なかなか魚が釣れず、既に飽き気味の有里。そりゃそうだ、釣れないしなんかくせぇし良いトコナシだ。井上も自分の趣味を彼女に押し付けるなよ、嫌われるぞ。
やがて有里、トイレに行きたいと言い出します。が、近くにトイレは無いため『野ション』せざるを得ません。しかも井上はそれにこっそりついて行って彼女の用を足すシーンを撮影しようとしてます。人間の屑がコノヤロウ。どうして『コワすぎ!』界の住人はこう撮らんでもいいようなモンを撮りたがるんだ。気持ち悪い人を見るのが好きな奴といい、肝試しと同じビデオテープでハメ撮り決行する奴といい……。
で、そんな中、有里があるモノを発見したことによって、事態は一変。それは、無残な姿となった野生動物の死骸。そして、大量に食い散らかされたキュウリ。事態が飲み込めず混乱するふたりは、更に池の水面近くを泳ぐ不思議な存在を撮影します。
あれはまさか、伝説の河童!? そう思った直後、突如池から現れ自分達を襲う謎の存在。大慌てで逃げたふたりは、この動画を『コワすぎ!』スタッフに送ったというわけです。

投稿者と共に早速現場検証する市川ら。ところが、動物の死骸も食い散らかされたキュウリも消え失せています。
代わりに発見したのは、明らかに何らかの意図を持って置かれた、木の枝とツタで構成された物体。
何か呪術の魔法陣的なヤツにも見えるソレは、まさか河童が準備したのか? だとすると河童には知性があるのでは? 様々な憶測が膨らんでいきます。
更に更に。なんと明らかに怪しい三本指の深い足跡まで残っています。しかも、そのサイズはおよそ36センチ。これが河童の残したものだとすると、河童は相当デカくて重いことになる。デカく重く知性派。うーむ、厄介な相手ですね。

とにかくまだ情報不足です。市川ら一行は聞き込み調査を開始しました。
荒らされたキュウリ畑を発見した一行は、その畑の持ち主であるオッサン、鈴木に話を聞くことにします。
ところがこれがまぁ、全然話にならない。「河童なんか来るワケねぇだろ」と完全に取材拒否のスタイル。というかまず勝手に人ン家の敷地内に入ってきたことを咎められます。確かに普通そうだよね……。
でも、このオッサンどう見ても何か知ってます。河童の痕跡を市川が見せたら反応してるんですよ明らかに。そんな見るからに怪しいのに、詳しく聞き出そうとしたら無理矢理追い払われてしまいました。まさかここで強行取材の工藤がいないことが仇になるとは……工藤が、工藤さえいれば……。

我々がうっかり抱いてしまったその気持ちを、白石監督は見逃しませんでした。
なんと、工藤が病院を脱走し会社に戻ったというのです。この作品開始後わずか20分程度の出来事でした。入院級のダメージを与えてもたった20分しか食い止めることができなかったのか、我々はあの悪魔を!
病院に戻るよう言う市川に対し、「自分の身体の事は自分が一番分かってる」「コレ(松葉杖)武器にも使えんじゃん」「あのさぁ。誰がディレクターなんだよ。お前話聞き出せねぇだろ?」といつものごり押しで復帰宣言する工藤。「工藤さんのコト心配して言ってるんですよ」と言う市川に対しても「ホントに心配してんのか? 鬱陶しいだけだろ?」と一蹴します。あ、自覚はあるのか……鬱陶しいとかいうレベルじゃないけどね……。

しかし、よくよく話を聞いてみると、工藤もたださっさと職場復帰したいというわけではないらしい。
工藤は、しばしば「正夢」を見ることがあるのだといいます。その正夢が、工藤に復帰を促したと。その内容は、なんと河童を網で捕えるというもの。そして、その場に自分も居合わせるというモノだったというのです。
「でも夢ですよね?」とあくまでオカルトを否定しにかかる市川ですが、工藤は自分の夢に絶対の自信を持っています。結局市川の反対も空しく、工藤は、悪魔は蘇ってしまいました。

……ええ、そして非常に悔しいことに、工藤が復活した瞬間、物事が全て好転し始めます。
話が聞けなかった相手からは見事に話を聞き出せ、河童が存在するという決定的な証拠映像も手に入り、協力者まで得ることができた。
河童の正体に近付いた工藤は、河童を直接捕獲するため、病み上がりの身体で自ら前線に立ちます。ボクシング由来の動きと、お馴染みのあの呪物を携えて……!

いや、悔しいんですけどね、今回の作品でよりハッキリしちゃったんですよね。何がって、工藤の有能さと、そして更なる狂気が。
正直File-01の時は「暴力暴言とわずかなカネで全てを解決する狂人」ってイメージしか持てなかったんですよ、工藤に対して。でも、それは工藤の一側面に過ぎないんですよね。いや、一部っつっても過半数を占める形での『一側面』なのでは……? って気もしますけど。

たとえばです。
今までの工藤は、投稿者ですら徹底的に痛めつけて情報を引き出しまくる男でしたよね。
でも今回の彼は「目に見えていい働きをしたヤツはちゃんと称賛する」って側面を見せます。素晴らしい映像を持って来た投稿者に対して、素直なホメを入れるんですよね。
しかもこの投稿者共、映像の中で明らかに工藤を馬鹿にする発言してるんですよ。「工藤って人結局口裂け女も捕獲できてないし、これで俺たちが河童捕まえたら軽く超えちゃうんじゃない?」みたいな。
(これから提出する映像なのにこんな発言して大丈夫か……死にたいのか……?)って心配してたんですけど、なんとその件に関しては一切不問。ふたりに向けられたのは純粋なホメでした。色々あってついカッとなった彼氏の井上君が工藤に殴り掛かった時も「アッ死ぬ!」って思ったんですけど、それすらも不問でしたからね。工藤をぶん殴った数少ない人間がこんなナヨナヨした男ってのもアレですね。というかその優しさを少しは市川にも向けてくれって話ですね。どんだけアンタの仕事を支えてると思ってるんだ……。

更に、市川が口説けなかった農夫のオジサン、鈴木をあっという間に懐柔していくんですよね。
信じられないくらい自分に自信を持っている工藤ですけど、実は「俺が正しいんだから俺に従えよこの野郎馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前」みたいなのばっかりじゃないんですよね。ちゃんと相手や状況を見極めてるんですよ。プロの暴力家なんですよね。

暴力をふるうまでもない相手はまず言いくるめていく。
非協力的な相手で、自分より明らかに弱そうなときは暴力で屈服させていく。
暴力が相応しくない、一発で壊れそうな相手ならば暴言をぶつけていく。
暴力・暴言勝負で明らかに互角以上の戦いになりそうならば、心の隙を見つけて、そこに滑り込む形で説得していく。
ついでに、明らかに負けそうなら逃げるだけの状況判断力もある。

鈴木に対しても、「明らかにコイツには暴力暴言じゃ屈服させられないな」と工藤は一瞬で見抜きます。
そうすると、「ちゃんとギャラも出す」とカネで解決する方向にシフトチェンジ。
それでも反応が良くない。でも、コイツは明らかに河童について何か知っている。そう見た工藤は、彼の過去に踏み込んでいきます。そして彼の立場に同情し、自分達は本気で河童を追っているんだ! と、その情熱をぶつけていく。
いやはや、とんでもない(色んな意味で)交渉能力です。もう、ただただ感嘆するしかありません。
……と思ったら、その情熱の伝え方が、なんと「『コワすぎ!』のDVDをプレゼントして見るよう言う」なんですよ。こういうトコは明らかに感覚が普通ではない。「これ見て、これ見てくれたら分かるから」って、いやアレ見せても工藤が暴力野郎なコトしか伝わらないでしょ!まあ、これを見た結果鈴木さんは心動かされちゃうから、おかしいのは工藤に限らずこの世界の住人全般なのか……?

工藤に限らず、登場人物のキャラがさりげなく描かれたり、また掘り下げられたりするのは、この作品の魅力ですよね。たとえば、市川も怖い時は泣いちゃうんだなぁとか。最初の頃は工藤に泣かされまくってたんじゃないだろうか……。
継続して登場してるキャラの魅力もそうですけど、私が地味に気に入ってんのは、今回登場した投稿者のバカップルですよね。
ホントね、このふたりのやり取り、すッッッげぇイラつくんですよ。釣りはつまんなさそうでしたけど、基本的にここラブラブなんですよ。河童を探しながら「史上初・河童を捕まえたカップルとしてインタビューを受けた時の練習ごっこ」始めたり。ダサいキメ台詞を考えた有里ちゃんに対して「僕はパートナー選びを間違えたかもしれませ〜ん♡」って言う井上に、有里ちゃんが「間違ってませ〜ん♡」って返事したりね。
なんかリアルですよねバカップルのこのやり取り! この絶妙なイラつかされ具合。あまりにこのいちゃつきに尺取るもんだから、いつコイツら河童に襲われて死ぬんだろうって楽しみになっちゃいましたもんね。

ホントに、エンターテインメントとして更なるレベルアップを遂げてました。
でも、こりゃ最早ホラーというより別のなんかじゃないのか? まあ面白いからいいんだけどn――!?
……完全に油断しきっていた私は、ラストシーンで思わずゾッ! とさせられてしまいました。そう、あくまでホラー作品なんですよコレは。別にわざと笑かしに来ているわけじゃない……ハズだ、いや、ある程度あえて笑かしにきてるのかな。散々楽しんだ後は、嫌でもそれを思い出さざるを得なくなることだと思います。

謎も多いですが、1,2で登場した伏線がどんどん繋がって、ひとつの何か大きな形を成そうとしている気配を感じます。こりゃ続きも見るしかないですね。
というわけで、4も見ましたので。またすぐにホメカツしていきたいと思います。しばらくお待ちくださいね。



それでは、次回のホメカツをお楽しみに!

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posted by 黒道蟲太郎 at 15:37| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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