2015年04月20日

小説『カゲロウデイズ -in a daze-』をホメる!

どうも。黒道の入院生活(二度目)元気にスタートしております。
やはりこういう時間を持て余しちゃう時は、読書をするに限ります読書を。
というわけで、私は決意しました。今日こそ、前々からリクエストいただいていた「あの」小説をやっつけるのだ、と……。

小説『カゲロウデイズ -in a daze-』



2012年、じん(自然の敵P)作。KGC文庫より出版された小説です。

ご存知ない方もいらっしゃるでしょうので、このじん(自然の敵P)という方、そして『カゲロウデイズ』に関して簡単に説明申し上げたいと思います。……とは言っても、私もあまり詳しいわけじゃないんですが。
じん(自然の敵P)とは、VOCALOIDを用いて楽曲を制作している方。いわゆる、ボカロPというやつです。
私もそのボカロPの端くれみたいなモンなんですが、彼を私みたいなのと一緒にしてはいけない。2011年に処女作を投稿して以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍し、再生回数ミリオン突破楽曲はなんと15曲。その作品はアニメにもなっております。



これですね。その他、アニメに楽曲提供なんかも行ってるみたいです。
そんな彼の代表作こそが『カゲロウデイズ』



この『カゲロウデイズ』の他、彼の1stアルバム『メカクシティデイズ』に収録されている楽曲『人造エネミー』『如月アテンション』『メカクシコード』を基にし、その四曲を繋ぐ物語を書いたのが本作というわけですね。





これらですね。
このホメカツを是非してほしい! というリクエストをブログ開始当初からいただいていたので、一週間ほど遅れましたが、こうしてホメカツさせていただこうという所であります。

紹介が長くなってしまいました。では、ここから先は私のホメカツであります。

――これは、8月14日、そして15日の物語。

この物語は、如月家の二人兄妹、シンタローモモの視点で進んでいきます……主に。

シンタローは十八歳、モモは十六歳。どちらも高校生。しかしながら、その性質はまるで反対なのです。
シンタローは、もう二年も引きこもりをしております。ニコニコ動画かどこかに楽曲を上げると誓っているのですが、今までに一曲も完成させたことは無く、基本的にニコニコにうpされた楽曲に批判コメをして生きています。
モモはといえば、アイドルをやっております。そう、歌って踊るアレです、アイドル。それも売れない地下アイドルじゃありませんよ、すごい人気でCDも爆売れの今をときめくアイドルで、ドラマ出演なんかも決まっているんですね。
いやはや、引きこもりのくせに妹がアイドルとはなんと羨ましい。しかもこのモモちゃん、普段は結構兄のコミュ障や引きこもりのことを気にしてるんですが、イザという時は結構心配してくれます。アイドルやってるのも、家計を助けるため。なんていい妹なんだ、オイ、君には勿体ないぞシンタロー君。

そんなふたりなのですが、それぞれが奇妙な事情を抱えております。
まず、兄、シンタロー。彼のパソコンには、奇妙な情報知性体、いわゆるAIが住んでいます。美少女の形をとったそれは、最初こそ大人しくしていたものの、シンタローに様々なイタズラを仕掛けては彼を困らせます。の手でられし、シンタローにとってのエネミー。シンタローは彼女をエネと呼び、目の敵にしながら奇妙な同居生活を送っています。
そして妹、モモ。彼女には奇妙な能力があります。それは、人の『目』を異様に引きつけてしまう、というものでした。アイドルとして爆売れしているのも、この能力があるから。しかし、普通の高校生活を送りたい彼女にとっては、これは自分を縛る能力であります。ちょっと通学してるだけでもわいのわいの言われるし、買い物に出かけただけで人だかりができて、大混乱になっちゃうんです。もーちょっと普通の暮らしが送りたい彼女は、この能力にウンザリしてます。
いやはや、奇跡的な二人が兄妹やってるのが更に奇跡。奇跡に奇跡を掛けて百倍というやつです。

さて、そんなモモちゃんなんですが、とあるきっかけで奇妙な若者の集団と出会います。
彼らこそ『メカクシ団』
街の中にある倉庫のような建物。小道に入り『107』と書かれた木製の扉を開ければ、そこが彼らの秘密基地。
パーカーを着た中性的女子、団長のキド。猫目の青年、カノ。コミュ障引きこもり少女(ん、キャラ被りだ)、マリー
ハッキリとした目的は不明ですが、彼らは「警察の『目』を盗んでヤバい施設に入ったり、そこから色々と拝借したり」する活動を日々行っているようです。な、なんだそれ。そこに新入りと間違えられて連れて来られたモモでしたが、『キサラギ』のコードネームを得、一緒に活動していくことになってしまいます。
その理由は、彼らもそれぞれ『目』に由来する能力を持っているから
そして、「モモの能力をなんとかすることができる」と言われたからです。
ワオ。能力者集団だったわけですね、『メカクシ団』。
キドの能力は、自分を含め、近くにあるモノの存在感を異様に薄くする……『目を隠す』もの。
カノの能力は、『目を欺く』ことで、自分を何か別のものに見せてしまうというもの。
マリーの能力は、『目を合わせた』相手を石に変える……というか、一時的に動けなくするというもの。なんかひとりだけすげぇ攻撃的だぞ。メデューサみたいだ、と思ったらマジでメデューサの末裔らしいです。うわぁ、何だそれは。たまげたなぁ……。

あっという間に友達になった四人は、デパートにお買い物に行きます。
すると、何たる偶然か。そこには兄、シンタローも来ていました。恥ずかしいから身を隠していたモモでしたが、なんとそのデパートに、テロリスト集団が乱入。
客を人質に取ったテロリスト共は、政府に対し脅迫行為。
「30分以内に10億円を用意しろ。拒んだり遅れれば人質の命は無い」
「逃走用のヘリには、この街くらい吹っ飛ばせる爆弾が積んである。逃走を邪魔したらそれを爆発させる」


ひょ、ひょえー。マジか、なんて頭の悪そうなテロリスト集団なんだ
と、ともかく、この絶体絶命のピンチに対し、モモは、『メカクシ団』は、シンタローは、エネは、どう立ち向かうのか!?
……っていうのが、大まかなあらすじです。

いやはや、驚嘆せざるを得ません。
よくもここまで、中学生の喜びそうな設定を詰め込みに詰め込んだものだ!
だって、だって、電脳少女に振り回されるイイトコなし引きこもりですよ!?
その妹はいざとなれば兄を心配してくれる大人気アイドルですよ!?
しかも彼女、人気過ぎて困っちゃって、普通になりたいって願ってる女の子ですよ!?
そんな中、裏通りの秘密基地に、なんでもできちゃうシャレオツな秘密基地ですよ!?
そして、そこにいるのは自分と同じ能力者の集団で、『目』に由来する能力の持ち主で、理由は全然分かんないけど体制に反抗してるんですよ!?
更に更に、そんな彼らが、ぐーぜんテロリストとバトルするんですよ!?
こんなん絶対中学生喜ぶでしょ!


というより、この作品、完全に小学生とか中学生向けなんですよね。
マーケティングのターゲットがそうなんです。

皆さん、『カゲロウデイズ』でGoogle検索したことあります?
私はあります。それは少し昔、カゲロウデイズというのが気になって、歌詞をググってみようとした時のこと。
カゲロウデイズ、歌詞、と検索ワードを入力しますと、サジェストってのが出てきます。ほら、予測変換的なのが下にずらーっと並ぶじゃないですか。アレです。この時も当然それが出てきました。
そこでひときわ私の『目』を引いたのは、以下のような検索ワードです。

『カゲロウデイズ 歌詞 ひらがな』
『カゲロウデイズ 歌詞 意味』


……そ、そうなんだ。
あの、カゲロウデイズの歌詞、ご存知でしょうか。上の動画とかでも確認できると思うので、お時間ある方はご覧下さい。
あくまで私の感覚なので申し訳ありませんが……この歌詞にこれ以上解釈要ります?
私には「延々と同じ時間をループする男の子がいて、彼は毎回女の子を救おうとするんだけど失敗して、最終的に彼は自分が彼女のために死ぬという手法を使って彼女を助けた。しかし、助けた彼女もまた、彼が死に続ける世界をループする存在であり、彼の死を見て『また駄目だった』と残念がった」としか解釈できないのですが。大して難しい漢字も登場しませんし。

別に馬鹿にしてるわけではなくてですね。
つまり、こういうのがサジェストで出るほど検索されてるってことは。
この『カゲロウプロジェクト』を楽しむ層の中心となっているのは、義務教育を修了していない程度の国語力を持つ人々である可能性が高い、ってことなんです。早い話が、この作品を主に読むのは『小中学生』ってことです。

と、なればですね。作者であるじん氏のアプローチは、まったく正しいことになる。
小中学生が聴いている自分の楽曲を基に……まぁ、多少無理矢理でも。ひとつの世界を構築していく。だとしたら、その世界は当然小中学生向けに作っていくでしょう。メイン層が喜ぶ設定を盛り込んでいくのが、マーケティング的には大正解。需要に応えている。
沢山改行を用い、一ページあたりの文字数を少なくし、会話文や単純な地の文で物語を進めていくのも、これはひとつの戦略と言えましょう。相手は義務教育で国語勉強してるくらいの子ども達なんですから、あまりキツキツミッチリに詰め込んでしまうのは、読者をついていけなくさせてしまう原因になります。
作者の技量不足であるとするのは簡単なんですが、届けたい層のことを考えれば、全然これでオッケー。むしろ、こうであるからこそ、需要に応えられるというワケですよ!

余談ですがこの本、タイトルはカゲロウデイズなのですが、この巻では楽曲『カゲロウデイズ』のストーリーに深く踏み込みません。詳しい話は、二巻以降で突っ込んでいくようです。ホントにテロリストやっつけるだけなんですよこの巻は。無論、そんなに沢山一度に話を詰め込んでしまっては、追うメイン層も大変ですし、続きも出せなくなりマーケティング的にもまずい。
きっとメイン層は、二巻以降もきちんと買って、そのワクワクする展開に自分を重ね合わせて楽しんでいるに違いないのです。彼らがそうやって喜んでいるのですから、もうマーケティング的には大成功でしょう。いいんです、これはこれで。イケてない少年少女には、彼らのヒーローが必要なのです。夢を見させてくれるヒーローが……それがきっと、『メカクシ団』なのでしょう。

読んでみてピンと来なかったアナタ。アナタにはきっともうメカクシ団が必要ないのです。
ちなみに私にも必要ないみたいです。
きっと、不安定な青春時代の中で、『メカクシ完了』されたい全ての少年少女達は、今日も楽しく『カゲプロ』を楽しんでいるのです……。



物理書籍とキンドル版も紹介したし、今回のホメカツはこの辺で。リクエストもどんどん消化していこうと思います。
では、次のホメカツもお楽しみに!

ブログランキング参加してます。よろしければクリックお願いします。


↓monacoinによる投げ銭メント行為は大歓迎です。
monacoin:MUfy2FARJdmkzP4KB69GYqbUqKhrgSDTSr
【関連する記事】
posted by 黒道蟲太郎 at 22:29| Comment(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジャンプコミックス全3巻の「LIGHT WING」ホメカツお願いします。
Posted by 柳田政作 at 2015年04月21日 17:14
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。