2015年04月16日

映画『ドリームキャッチャー』をホメる!

ついに来てしまった。最初の試練が。

……どうも、一旦退院しました。黒道です。
さて、昨日私は『チャーリーとチョコレート工場』を見、ホメカツをしたわけです。
ひと息ついて、私は考えました。時間的に考えても、もう一本くらい映画が見られるぞ、と。
そこで私は考えたわけです。どうせなら、私の好物であるホラー映画がないか?
それで棚の方をゴソゴソやっておりますと…発見しました。おっ、原作スティーブン・キングだって。自分の作品の実写化史上最高の出来だって評価してるみたい。更に、モーガン・フリーマンも出てるのか。コレ、いかにも面白そうじゃありませんか?
これは見るしかないな。そう確信した私は、迷わず借りたのです、この映画を。



映画『ドリームキャッチャー』
2003年、ローレンス・カスダン監督。アメリカの作品です。

ドリームキャッチャーといえば、ネイティブアメリカンの間で伝わる、悪い夢やら災いやら、そういったものを寄せ付けないお守りです。私も小さい頃、祖母から貰いました。
そのドリームキャッチャーが、どのような怪異をもたらすのか。ドキドキしながら、私は再生ボタンを押したのです。この後に待ち受ける、恐るべき展開を知りもせず……!

例によってちょいとばかしネタバレありなので、ご注意下さい。

この映画の主人公は、四人のオジサン達。
しかし、ただのオジサンではありません。彼らには秘密があります。それは、不思議な力を持っていること。
相手の心が読める。探し物を見つけられる。自分の記憶を『記憶倉庫』として可視化し、管理する。そういった能力を、彼らはごく自然に操ることができます。
なぜそんなことができるのか。それは、20年前にさかのぼります。

四人には、共通の友人がいました。
彼の名はダディッツ。知的障害のある子でした。
彼は、不良にパンツ一枚にされて犬のフンを食わされそうになっていました。壮絶なイジメです。
これを止めたのが彼ら四人。それ以来五人は仲良しです。

そう、もうお気付きの方はお気付きでしょう。
その奇妙な力は、ある出来事をきっかけに、ダディッツから授かったのです。

それから20年間、超能力で繋がった彼らは『壁の穴』と呼ばれる森の中の小屋に毎年のように集まり、同窓会めいて食事をし、酒を飲みながら、猥談に花を咲かせたりしています。小屋の天井からは、五人が友情の証に作ったドリームキャッチャーをぶら下げて。

「なるほど、そういう感じの話かぁ……」
ホラー映画に慣れた未視聴の方は、今後の展開を想像し、そう思ったかもしれません。
ちょーっと待ってください。
もう少しだけ話を聴いてくださいませんか。

……その年は、異様に雪が降りました。壁の穴の周りは雪景色です。
しかし、異様なのは雪だけではありませんでした。
顔に奇妙な赤いアザを作り、普通じゃないくらい屁やゲップをぶちかます謎の遭難中年男性。
そんな彼を探している、なぜだか雪に埋もれていた、同じく赤いアザのおばさん。
一斉に同じ方向へ逃げてゆく野生動物達。その体には、やはり赤いアザ。
そして、軍のものと思われるヘリコプター。
オジサン達が助けを求めても、彼らは、この辺り一帯が隔離地区になったことを告げ、飛び去っていく……。
一体、この場所で何が起こっているのか!?

……はい。未視聴の方に向けたあらすじをしましたら、このような感じでしょうか。
皆さん、お分かりいただけただろうか。

そう、明らかに途中から流れが変わっているのである。


なんか最初は超能力を授かるとかなんかそういう方向性だったのに。いきなり赤いアザがどうとか、軍による隔離がどうとか、まるで……ホラーのジャンルが変わったような?

……鋭いですねお客さん。
でも、こんなところで驚いてちゃいけません。
まだまだ、ほんの少し顔を見せただけなんですから。
音楽で言うとプログレばりにめまぐるしく展開が変化する、この映画の本当の姿が……!


もう少し、この後の展開を追ってみましょう。

ヘリに助けを求めるも「すぐに隔離は終わるからそこにいろ」といわれたオッサンふたり(残りふたりは出掛けてます)。
毒づきながら『壁の穴』内に戻ると、ふたりは明らかな異常に気付きます。
ベッドに寝かせておいたはずの、赤いアザを持つ遭難中年男性。彼がベッドからいなくなっています。しかも、ベッドからトイレまで、彼が這ったと思われる跡がついています。しかも、血まみれの。
どう考えてもおかしい。気付いたふたりは、無理矢理トイレをぶち破り、中に入ります。
そこには、ケツを、そして体中を血まみれにして死んだ遭難中年男性!
いろんな意味で悲惨な絵ヅラ!!!
しかも、明らかに便器の中になんかいるんです。バシャバシャって音を立てて。無理矢理トイレ流しても、そいつは流れていきません。
必死で便座のフタをして押さえるも、ついにそいつはその姿を現します。

その正体は……ぬらぬらしてウナギめいた、縦に割れる口と大量の牙を持つ怪物!

あっ、そういう系かよ!
いやいや、まだですよ!!!

抵抗も虚しく、オジサンのひとりはウナギから致命傷を受けてしまいます。
その様子を見て驚愕するもうひとりのオジサン。ところが驚いてる場合じゃない。彼の後ろにもまた、ひとつの大きな影が迫っていたのです。ウナギは、蛇のようにスルスルとその影へ迫って行きます。まるで、慣れ親しんだ主人の元へ帰るように。その『主人』の正体は……!

人間の背丈を大きく超えた!
ぬめぬめした肌とつぶらな瞳を持つ!!!
グレイ型めいた宇宙人だぁッ!!!!!


ウッソだろお前!!!!!!!

宇宙人は、呆気にとられる彼にとりついて、その精神をジャックしてしまいます。
ここから物語はどんどん繋がっていきます。
奴の正体は、地球に不時着してしまったエイリアン。しかし、不幸な被害者ではありません。彼らはもう25年以上前から、この地球を狙って飛来していた種族。どうせ地球に着いてしまったのだから、今回も征服を狙ってこう。と、大変はた迷惑な理由で、彼らは地球人に牙をむきます。
あの赤いアザみたいなのは、宇宙人が持っているウイルス。これを広めてしまえば、あっという間にアメリカ全土に、もっと言えば世界全土にそれは拡がってしまうでしょう。そうなればこの星は完全に彼らの手に落ちます。
あの軍隊の人達も、ウイルスの拡散を防ぎ、宇宙人を根こそぎぶち殺すために送り込まれた、対宇宙人特殊部隊だったのです!
四人のオジサンに与えられた力も、宇宙人に対抗するためのもの。
そして、私が気になってたモーガン・フリーマンは、この宇宙人と25年に渡り戦い続けて、使命感のあまり倫理観とかがぶっ壊れちゃった指揮官の役。わぁ、あ、悪役だァ。モーガン・フリーマン悪役してるよ。

そしてそして、物語後半からは、火薬の臭いが一気に充満し始めます。
ヘリコプターに武器を満載して、不時着した宇宙船とエイリアン達をぶち殺して回るシーンはなかなか派手。
人間同士の戦いもあります。エイリアンへの、そして感染者への対応で意見が割れ、確執の生まれる軍内部。己の信じる道を貫き通すため、様々に暗躍していきます。

もちろん、エイリアンに取り憑かれたオジサンを忘れてはいけない。
精神を持っていかれるも、『記憶倉庫』の能力により、完全に精神を上書きされるには至らなかったオジサン。人の記憶を覗こうとするエイリアンの精神攻撃をブロックしながら、テレパシー能力等を駆使しつつ、生き残った仲間に助けを求めていきます。
ところが、生きてるオジサンは、彼を除くとたったひとり。
自分達に力を授けたダディッツと共に、取り憑かれた仲間を、そして地球を救うため、最後のオジサンは軍人と交渉しつつ駆け抜けていく!
さぁ、果たして世界の運命は!?

……こんな感じの話だったっけ最初!?

そう、まさにこの作品はプログレ。予想できない展開で、はじめと終わりじゃ雰囲気が全然違う。
だのに、一見合体事故としか見えないこの恐るべき作品、映画としてはある程度ちゃんとまとまって成立しているのもすごいところです。ホラーという枠組みにこだわり過ぎなければ、展開の派手さに驚愕しつつも、ある程度楽しめます。……もちろん、賛否両論あるでしょうけど。

半端な仕事ではとっくに崩壊しているであろうこの作品が、形を保って存在できているのは何故なのか?
それはやはり、予算ではないかと私は思います……身も蓋もないですけど!
この作品と同程度かそれ以上に内容を詰め込んでる作品ってのは、世の中に少なくないでしょう。しかしそれらが己の形を保てず極限大崩壊してしまうのは、やはり独特の安っぽさが出てしまうから、という側面があるのは否定できないでしょう。
その点この作品は、CGにもある程度力を割いてありますから、宇宙人を見ただけで思わず吹き出してしまう……というほどのことはありません。むしろエイリアン殲滅戦のシーンとか、結構迫力があってカッコイイのではとすら思えます。
加えて、モーガン・フリーマンをはじめとしたベテラン役者陣がしっかりと脇を固めているため、演技的にも申し分ない。
結果、『ドリームキャッチャー』という名のこの怪物は、自らの重みで崩壊することなく、我々の前に姿を現せたのではないでしょうか。嗚呼、恐るべきは予算の力。用意さえできれば、同じ素材をここまで調理できるというのか……!

わっ、私も人生を上手く調理するだけの予算が欲しいぞォーッ!!!!!

……と、当然ですけど、お金さえあれば名作ができるわけじゃないですからね。やっぱり基本的には監督さんの手腕ってことなのかな!
とにかく。
プログレめいてめまぐるしく変化する展開を、崩壊させることなく保たせ、ドンと世に送り出した怪作。
アナタはアリでしょうか、それともナシでしょうか……?
機会があれば、是非確認してみてくださいね。



それでは、次回のホメカツをどうぞお楽しみに!

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posted by 黒道蟲太郎 at 11:29| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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