2015年04月13日

映画『ムカデ人間』をホメる!

こんにちは、黒道です。
皆さん、早速のコメントをありがとうございます。時間はかかるかもしれませんが、ちょいちょい消化していこうと思います。

さて。私は悩みました。
何事もハジマリが肝心といいます。記念すべき最初のホメが、今後のこのブログの方向性を決定づけてしまうかもしれません。だから、みんなが楽しめる記事を……。



映画『ムカデ人間』
2010年公開、トム・シックス監督。オランダ製のホラー映画です。

……ハイ、我慢できませんでした。
実を言うと私、映画の中ではホラー映画が一番好きでして。皆さんに紹介したい作品が色々あるんですよ。無論詳しい方からすれば「そんな作品今更紹介されましても」というのも多いと思うんですが、まあ、そこはもっともっと知っていただきたいということで……。
そういうわけで、黒道の好きなホラー映画の中でも、一番最近見て、そしてものすごい衝撃を受けたのが、この『ムカデ人間』シリーズ。

今回はこの『ムカデ人間』の記念すべき第一作について、ホメカツしていきたいと思うところであります。
できれば皆さんに読んでいただきたいんですけど……い、一応閲覧注意ということで……。
なお、皆さんには是非実際の映画を見て楽しんでいただきたいので、オチまでネタバレしたりはしてません。ごあんしんください。

シャム双生児分離手術の権威として知られるドイツ人医師、ヨーゼフ・ハイター。
人間嫌いの彼は、森の奥にひとりで住んでいます。一階建ての大きな家を建てて。お金持ちなんですね。
そんな彼には、ひとつの夢がありました。
「分離ではなく、つなげてみたい」
すなわち……人間同士の口と肛門を接合し、ひとつの生命体、『ムカデ人間』を完成させたい。
これは、『ムカデ人間』作製を目論むマッドサイエンティスト・ハイター博士と、不幸にもその生贄となってしまった三人の男女の物語であります。

……上の画像、もうご覧になりましたか? はい、ジャケットの。
ハッキリ申し上げまして、それが全てなんですよね、この映画の。

私は映画なぞ撮ったことないのですが、仮に私がホラー映画の監督だとしますよ。
で、ある晩突然「人間三人の肛門と口を繋いで、『ムカデ人間』ってどうよ」って思ったとしますよ。
……私ならそのまま寝ますね。「まあ、無いわな……」って。
だ、だって、あんまりにもあんまりじゃありません!? 『ムカデ人間』ですよ!? あまりにもしょーもないというか、下劣というか、アレ過ぎて思いついてもそっと心のうちにしまっときますって普通。
それをマジで一本の映画にしちゃったのが、まずこの監督のスゴすぎる点ですよね。これホメてますよモチロン。その行動力。常人のそれじゃありません。

で、ですね。
タイトルとポスター見ただけでどれだけ悲惨か容易に想像がつくこの映画なのですが。
その導入はまさに王道を往くホラーといった風情であります。

ドイツ旅行にやって来たアメリカ人の若い女性二人組。ね、この時点でもうワクワクするでしょ。
クラブに行こうと車を走らせていたら、森の中で迷子になってしまします。そりゃそうです。ホラー映画の登場人物なのにそんなことしたら迷子になるに決まっています。いいですねぇ。
電話も繋がらず、しょうがないので歩いて助けを求めに行くことに。途中で雨も降りだしてもう最悪。見てるこっちはテンション爆上がりですね。思わず立ち上がって小躍りしてしまいそうになります。皆さん、いざって時のために覚えておいてほしいんですが、雪山でもどこでも、『遭難した時はその場でじっと助けを待った方が生存率高いそうです』。
ハイハイ、そんな自ら死ににいってると言っても過言ではない二人は、森の中で大きな家を発見します。その家の主こそ、狂気の医師、ヨーゼフ・ハイターその人でありました。

もう、最高でしょ?
ちょっと尻軽そうなお姉さん達が、旅行先、しかも森の中で迷子になるんですよ? しかも森の中の家を発見しちゃって、そこに招き入れられちゃうんですよ?
まさに王道、様式美。音楽のカノン進行。麻雀のメンタンピン。水戸黄門の印籠。パン咥えて走ってたら曲がり角でぶつかる転校生。こうなるだろうと思ったらやっぱそうなった! とピッタリハマる気持ちよさですよね。王道を馬鹿にしちゃいけません。王道はやっぱり気持ちいいから王道なんです。

もうあとはお分かりですね、ハイ、ハイター博士は二人を捕らえます。そして、その二人に男性をひとり足して、合計三人を接続した『ムカデ人間』を。完成させてしまうわけですよね。
そしてハイター博士は、三人を立派な『ムカデ人間』にすべく調教を開始します。必死に反抗する三人なのですが、そういう態度を取れば、ハイターから鞭とかでしばかれるわけです。まさに『調教』です。

しかし、こんなことをすれば当然誰かが気付きます。
行方不明者が多発していることに気付いた警察。目撃証言等を基に、ハイター博士の関与を疑い始め、ついに森の中のハイターハウスに捜査の手が伸びます。あの『ムカデ人間』のいる、ハイターハウスに……!
さあ、ハイター博士は、そして哀れな『ムカデ人間』達の運命やいかに!?
……ってな感じです。

この映画はですね、ホラー映画という名前じゃありますけど、結構笑えるシーンが多いです。
本物じゃないよね? と言いたくなるようなグロシーン満載のホラー映画もある中、この映画は比較的マイルドなグロ描写。女性がおっぱい出してるシーンもあるんですがそこまでモロでもなく。ハイター博士による手術シーンなんかもあるんですが、これもそこまで血ドバシャーみたいな感じじゃありません。そりゃ、ハイターさん博士ですからね。そこは上手くやります。
むしろ笑えるシーンのほうが多いんじゃないかな? とすら思えますね。

まず、ハイター博士のキャラが最高なんですよ。
ご覧ください上の画像を。グラサンの男性がいますよね。彼です、ハイター博士。
本当に彼、猟奇殺人鬼とかじゃないんですよ。あくまで『マッドサイエンティスト』なんですよ。
自分の夢……『ムカデ人間』実現のために、できることならなんでもやります。人を誘拐するし、変な薬も飲ませるし、手術もするし、場合によっちゃ人も殺します。
でもそれは、全て自分の夢のため。殺すのが楽しいとか、そんなんじゃ全く無いんです。自分の夢を叶えるために、人を殺さねばならないなら当然殺す。目的のためなら、他のあらゆるものは無論犠牲にしてよい。犠牲者は庭に埋葬するけど、実験に使った犬だって一緒に庭に埋めてるんです。彼にとってみればどちらも等しく「実験の為に必要だった犠牲」に過ぎない。この倫理観のぶっ壊れ方がイイですね。

すごく可愛いところもいっぱいあるんです、ハイターさん。
基本的にクールな男なんですけど、結構性格が子どもっぽかったりするんですよね。
ホント、実験対象を見る時の目がイノセントなんですよ。楽しいおもちゃを得たチビッコのそれなんです。純粋無垢な瞳。主人公達を捕らえたのも、「お、いいおもちゃだ。貰お。よぉし、材料が揃った! 完成させるぞぉ! ……あ、こっちは要らないから捨てよ」くらいの感覚なんです。彼の実験は、子どもが遊んでるのと一緒なんです。いじめて遊ぶのも愛情表現なんですよね。
そして手術の末、ムカデ人間が完成した時、ハイター君めちゃくちゃ喜ぶんです。「やったぁ!」って言って。ガッツポーズして。涙を流して。そして鏡に向かってキスするんですよ? すごく愛らしくありません?
勿論、そのおもちゃが自分を傷つけてきたり、おもちゃ遊びを邪魔してくるような奴が現れたら容赦しません。反抗的な態度を取れば鞭でしばきます。突然大声を出してブチキレます。殺人鬼の派手さはないですけど、性格のサイコっぷりが最高〜にイカすんです。
更に更に、日本語吹き替えがあの若本規夫氏なんですよね。元々予告編にナレーションで参加してただけなんですけど、それが好評だったので、急遽ハイター役で参戦することになったそうです。これがまた、ハイターの変質者っぷりを引き立てる引き立てる。
「変態!」って罵られたハイターが、若本声で「そぉうだぁ、私は変ッ態だァ!」って返事するトコ、笑い無しには見られませんよ。私、基本的に洋画は字幕で見たい派なんですけど、こればっかりは若本ボイスで面白さ倍増ですね。
ハイター博士の挙動だけでもう滅茶苦茶面白い映画なんですよコレ。なぜか彼の全裸プール平泳ぎシーンとかありますし。どの層を狙った映像なんですかね……?

キャラで言うと、日本人の男性(カツロー)役の、北村昭博さん。この人がまたかなり笑わせてくれます。
彼、なぜか関西弁なんですよ。雰囲気もちょっとヤクザっぽくて。その喋り方で、ハイター博士に暴言を吐きまくるんです。無論日本語でですよ。
拘束されれば「おい、何やコレ!? 何やコレお前!?」と大騒ぎ。
ハイター教授に無視されて「オイ、このドイツの変態野郎が! ソーセージでも食ってろお前!」とセンスありすぎる罵倒。
拘束を無理矢理解こうと「火事場のクソ力じゃぁい! ウオオオオオオ!」と無駄な努力をし。
でもハイター博士が手術の説明を始めると「オイ、そんなコトが許されると思っとんのかお前」と震えだし。
変な薬を打たれそうになると「オイ、オイちょっと待て落ち着けって!」と一気に弱気に。
もう、ハイター博士が喋っていようと何してようとお構いなし。常に大騒ぎしてます。
しかもあろうことか、彼、ムカデ人間の「先頭」にされちゃうんですよね。
ムカデ人間が完成した時点で、他の二人のお姉ちゃん達は何も喋れなくなっちゃうんですよ。口と肛門繋がれちゃってますんで。でも、カツローだけは違う。先頭だからベラベラ喋れるんです。多分日本語しか喋れないからそうしたんでしょうけど、そのうるささはハイターをして「なぁ、寝たいんだよ……寝る時間なんだ……声帯も切除しておくんだったなぁ?」と、安眠妨害になるほど。
画的にはかなりアレなこの映画も、このハイターとカツローの存在だけで相当笑えます。
ムカデ人間を調教して、新聞を持ってこさせようとするハイター。それに対し、一旦なぜか新聞をくわえ、すぐポロッと落としてみせる。これを無表情でこなすカツロー。なかなかシュールです。別の場面でも、「ほぉら、どうした、今日のカミカゼは臆病なチキン野郎だなぁ?」ハイターが煽れば、「お前のやっとることはな……オナニーなんだよ」吐き捨てるカツロー。二人が絡むシーンはそのほとんどが面白い。

無論、笑えるばかりじゃありません。思わず目を覆いたくなるシーンもあります。
……皆さん、そろそろお気付きでしょう。
口と肛門を繋ぐと、どういうことが起こるか……。
ええと、お食事前後の皆さんもいらっしゃるので、詳細な説明は控えようと思うんですが。まあ、そうなりますよね? 勿論その問題は描かれています。いくら他のシーンが笑えようと、そこだけは笑えませんね。ヴォエ! って感じです。

そういった悪趣味成分と、王道成分。そして笑えちゃう成分が素晴らしい比率で盛り合わせられた、この映画を例えるならば、ファストフード。絶品料理を食べたいならば違うかもしれないけど、大量のカロリーを手軽に摂取して、口の周りをべたべたにしながらうめぇうめぇ言うには非常に適した作品です。
是非、ビールとスナック菓子でも用意して見てみてください。皆さんのお腹は、きっと炭水化物と脂で満たされることでしょう……!

……ちなみに、この作品は3部作です。
それも、好評だから2を作りました、とかじゃないんです。1を作った時点で、「3まで作る」と決めてるんですよね。だから、元のタイトルも『The Human Centipede (First Sequence)』つまり『ムカデ人間(第1シーケンス)』……いわば『ムカデ人間1』として送り出したってわけです。
うーむ。トム・シックス監督、狂気としか言いようがない。
2は当然見ましたよ。3もそろそろ公開みたいなので、劇場に見に行こうと思っています。
じきに『ムカデ人間2』をホメる日、そして『ムカデ人間3』をホメる日がやってくるでしょうね。



以上、悪趣味と笑いのホラー映画『ムカデ人間』ホメカツでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。皆さんも是非見てみてくださいね。
それでは、次回のホメカツもお楽しみに〜。

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posted by 黒道蟲太郎 at 07:18| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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